【Research Report】女性活躍推進継続企業の株式パフォーマンスと特徴
- 2015年7月24日
社会システム研究所
- 曽我 昂平
サマリー
本稿では、我が国において近年注目されている企業の女性活躍推進への継続的な取り組みが株式パフォーマンスに与える影響について分析する。具体的には、日興リサーチセンターが2006年以降算出している「女性力」スコアを基に等金額ポートフォリオを作成してパフォーマンスを計測し、代表的なベンチマーク・インデックスであるTOPIX(配当込)と比較した。
その結果、2010年1月末から2015年5月末までの期間で、当該年、過去3年、過去5年のいずれの期間においても「女性力」スコア平均順位上位銘柄のポートフォリオはTOPIX(配当込)を上回るパフォーマンスを示した。また、2006年1月末以降の10年間における「女性力」スコア平均順位上位銘柄のポートフォリオのパフォーマンスを同時期から2015年5月末まで計測したところ、同様の傾向を示した。
続いて、一般に企業分析等で用いる財務指標と外国人持株比率、社齢、委員会設置会社であるかどうかについて、「女性力」スコア上位銘柄とTOPIX構成銘柄で平均の差の検定を行った。その結果、3年以上にわたって継続して「女性力」スコアの評価が高い企業の典型像は、事業活動が海外に及び、株式市場においても外国人投資家の評価が相対的に高い大企業である、という推定結果が得られた。