地方銀行・第二地方銀行の保有株式に関する特性分析

サマリー

本稿では、地方銀行、第二地方銀行の政策目的・純投資目的で保有する株式が、どのような状況にあるのかを把握するため、様々な指標特性を用いた分析を行った。具体的には、2014年12月時点で取得可能なそれぞれの銀行の有価証券報告書等公開情報をもとに、2014年12月末におけるそれぞれの銀行の保有株に関する、1.業種別時価総額比率、2.財務指標特性、3.リスクインデックス特性、4.CSR評価特性を計算するとともに、地方銀行、第二地方銀行のa.全行平均、b.時価総額による上位グループ、中位グループ、下位グループの3区分の平均を求め、比較・考察を行った。
その結果、地方銀行および第二地方銀行の保有株は、「内需産業銘柄の保有比率が高い」、「時価総額上位グループの銘柄の保有比率が低い」、「低ROEでありかつ低配当利回りである」、「低PBRであるがPERは東証一部平均並」、「時価総額区分による下位グループは低流動株が多いが市場連動性は東証一部平均並み」、「CSR的観点からは東証一部平均と比較してやや低評価の企業への投資が多い」という特徴があることがわかった。
各行それぞれのビジネス環境、地域的要因等があるにせよ、このような東証一部平均とのかい離要因は、そもそも市場リスクの主要因となる可能性があるだけでなく、最近ますます関心が高まりつつあるコーポレートガバナンス・コードに鑑みても、改善の余地があるという状況があらためて浮き彫りになったといえる。

全文ダウンロード

サービス・事例紹介

この記事に関連する当社のサービスや事例のご紹介をご希望の方は、下記よりお問い合わせください。
担当研究所・研究員からご案内をいたします。

ご意見の投稿

この記事についてご意見をお聞かせください。
今後のサイト運営や、レポートの参考とさせていただきます。

  • 戻る
  • ページ先頭へ戻る