人材重視型CSRと企業価値(5)~コーポレート・ガバナンスと女性活用~

サマリー

本稿では、コーポレート・ガバナンスのうち経営者の株式所有に着目し、女性活用との関係を分析する。過去のコーポレート・ガバナンスに関する研究では、ボード構成、外部株主の構成、金融機関との関係については、統一された傾向が確認されていないが、経営者持ち株比率に関しては、その水準が高すぎない限り、企業価値に対しプラスの影響を与えることがほぼコンセンサスとなりつつある。換言すれば、経営者持ち株比率が高い企業では株主価値最大化経営が行われていることが示唆されている。このため、経営者持ち株比率と女性活用との間のプラスの相関関係が見出されれば、企業経営における女性活用の意義に関する新たな証左となると考えられる。
2003年度の日本企業を対象とした分析の結果、経営者持ち株比率が高い企業では女性従業員比率、女性管理職比率、女性役員比率、いずれも高くなる傾向が確認できた。そのような傾向は業種要因、成長機会、企業規模を考慮しても変わらなかった。このような結果は,女性活用が株主価値最大化に必要不可欠な投資であることを示している.

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