内部資金と研究開発投資(2)

サマリー

研究開発投資(R&D)と設備投資とを比較すると、R&Dは投資家との非対称情報が特に大きく、内部資金による制約を受けやすい一方、成果が他社に利用される可能性があることから、内部資金に依らず過少投資となる可能性もある。実際に内部キャッシュフローとの相関を見ると、R&Dは設備投資等と同等以上に内部キャッシュフローとの相関が強く、R&Dの水準が内部資金によって影響を受けていることを示唆している。他方、投資機会の代理変数であるQ(Simple-Q:〔株式時価総額+負債〕÷総資産)との相関を見ると、R&DはQとの相関が設備投資等に比べて小さかった。この結果は、設備投資はQなどの指標で示される投資機会を所与として投資の意志決定が行われる一方、R&Dに関しては投資機会を創出する性格があることを示唆している。

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