サステナブル投資の課題

サマリー

国連環境計画FIと国連グローバルコンパクトによって構築された責任投資原則(PRI)への署名機関数が増えている。この責任投資原則の最大の目的は、投資を通じて「持続可能な発展」に寄与することにある。投資プロセスにおいて経済パフォーマンスに加えてESG(環境、社会、ガバナンス)に配慮するということは、経済、環境、社会それぞれの持続性に配慮したサステナブル投資を行うことに他ならない。このことは、豊かさの概念が経済成長のみでは計りきれないことも示唆している。個々人の生活の質に対する満足度を現在だけでなく、将来の世代においても満足のゆく状態を創り出すには、経済ファクターだけではなく、環境や社会の要因にも配慮する必要がある。その意味で、サステナブル投資プロセスを考えるには、経済、環境、社会全体を一つのシステムとして眺める視点が求められる。経済学、経営学、社会学、心理学、法学といった専門領域だけからサステナビリティの課題を部分的に考えるのではなく、サステナビリティに関わるシステム全体で考える必要があるだろう。
ポスト京都議定書に向けて、環境への関心が世界的に高まっているが、世界全体の持続可能な発展を目的とすると、環境だけでなく、経済、社会の課題も考慮することがサステナブル投資でも求められると考えられる。世界的な持続可能な発展という意味でサステナブル投資におけるグローバルな概念は必要不可欠である。ただ、今後は国、地域といったグローバルな概念に加えて、投資対象資産をESGそれぞれのテーマについてどのような配分することが望ましいかを考えることが課題となろう。

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