日本版ライツ・イシューの初案件として注目されたタカラレーベンの資金調達が完了した。
ライツ・イシューは、増資に対する既存株主の意思を反映させることができる資金調達手法として期待が大きい。
しかし、ライツ・イシューに関する発表直後、タカラレーベンの株価は大きく下落した。はじめての案件であったため、ライツ・イシューの株価への影響に関する知識が普及していなかったことが原因の一つだったと考えられる。そこで、本稿では、東京証券取引所の「呼値の制限値幅に関する規則」による算式に加え、本山(2004)で導出したオプション価格式を用い、ライツ・イシューの株価への影響について考察した。通常は、計算が容易な前者で十分であることを後者との比較で確認できたが、行使価格などを検討する際などには後者が役立つことを示す。